2015.6.16
悉皆(しっかい)職人の技
「悉皆」とは字のごとく、「ことごとく、みな全部」という意味です。
最近では「着物のクリーニング」のようなイメージを持たれていますが、本来は「シミ抜き」「洗い張り」はもちろん、
「染め替え」から「刺繍直し」「仕立直し」など着物に関する加工作業のすべてのことを言います。
悉皆職人とは、着物のお直し・加工に関する様々な仕事ができる職人のことを指します。
実は、「しっかり」という言葉の語源は加賀友禅なんです。
真っ白な反物が着物に仕上がるまで38もの工程があり、それぞれで完結な職人さん達の間を取り持ち、
調和を作り出す仕事が 「悉皆(しっかい)屋さん」と呼ばれていました。
問屋から注文を受け、作家、地染め屋などを巡り、着物のイメージから実際の地色などの相談に乗り、
汚れや傷がないかもチェックし、最終的に責任をもって問屋に届けるという、
プロデューサー、ディレクター、営業マン、それでいて芸術家でもある…すべてを兼ね備えていないと出来ない仕事で、
そんな「しっかいやさん」が「しっかりの語源」と言われています。
お客様の大切なお着物を末永くお召しいただくために、状態に応じた最適な方法をご提案し、
様々なご要望に「しっかり」とお応えさせていただいております。
職人の技が、大切なお着物を再び素敵な1着に蘇らせます。