各職人技術を詳しくご説明いたします。
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1. きものクリーニング 悉皆(しっかい)の技
「悉皆」とは字のごとく、「ことごとく、みな全部」という意味です。
最近では「着物のクリーニング」のようなイメージを持たれていますが、本来は「シミ抜き」
「洗い張り」はもちろん、「染め替え」から「刺繍直し」「仕立直し」など着物に関する加工作業の
すべてのことを言います。
悉皆職人とは、着物のお直し・加工に関する様々な仕事ができる職人のことを指します。
実は、「しっかり」という言葉の語源は加賀友禅なんです。
真っ白な反物が着物に仕上がるまで38もの工程があり、それぞれで完結な職人さん達の間を取り持ち、
調和を作り出す仕事が 「悉皆(しっかい)屋さん」と呼ばれていました。
問屋から注文を受け、作家、地染め屋などを巡り、着物のイメージから実際の地色などの相談に乗り、
汚れや傷がないかもチェックし、最終的に責任をもって問屋に届けるという、プロデューサー、ディレクター、
営業マン、それでいて芸術家でもある…すべてを兼ね備えていないと出来ない仕事で、そんな「しっかいやさん」
が「しっかりの語源」と言われています。
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2. 「友禅ガラス」加工の技
「友禅ガラス」とは、伝統的な加賀友禅や京友禅の染め布、または帯地、刺繍布地など、高度な職人技術が
詰まった本格的な手仕事の技をそのまま半永久的に遺すために考えられた全く新しい製法技術です。
具体的な製造工程は、1枚のガラス基板の片面に布地を接着フィルムに接着させ、保護フィルム(樹脂)により
素材を保護させます。下図のように素材をガラス基板と保護フイルム(樹脂)にサンドイッチのように挟み、時間をかけて高温加圧加工します。水が浸み込まないよう素材の縁を全面コーティングすることで耐水性に優れ、ガラスが飛散しない機能があります。
インテリアから建材まで、また曲面への加工も容易なため実用的なお皿等の加工が可能です。裏面が樹脂のた
め、凹凸のある刺繍などの素材も対応できるのが最大の特徴です。








